もっと教えて、先生!

「朝食で体を温めると、どんな良いことがあるの?」そんな疑問に専門家の先生が答えます。

温朝食で、"朝冷え"を吹き飛ばし、身体にエンジンをかけよう

南雲 久美子 先生
目黒西口クリニック院長

杏林大学医学部卒業。北里研究所付属東洋医学研究所にて東洋医学を学んだ後、東洋医学と西洋医学を融合して治療する目黒西口クリニックを開業。ライフワークは冷え症、自律神経失調症の治療・研究。

季節の変わり目こそ、冷えに要注意

多くの人が悩む ”冷え”。最近では、女性だけでなく男性や子供にも症状を訴える人が増加しており、いまや多くの日本人が抱える悩みの種といえます。その冷えが、1年の中で最も生じやすい時期が、実は真冬ではなく、季節の変わり目であることをご存知でしたか?特に11月や2~3月などは注意が必要です。なぜなら、真冬であれば、しっかり防寒して身体を温める人が多いかと思いますが、季節の変わり目は気温の変化も激しく、朝はあたたかいのに、夕方に近づくにつれ肌寒くなるなど、気温の変化にうまく対応できず、”冷え”やすくなってしまう人が多いのです。とりわけ、11月前後に生じる”冷え”の原因は、すでに暑い夏の間に、本人の自覚のないままにつくられた“隠れ冷え”が原因の可能性があります。暑さのせいで、クーラーがよく効いた室内でも薄着のままでいたり、暑さしのぎに、冷たい飲み物や食べ物をたくさん摂ることで、知らず知らずのうちに身体を冷やしてしまうのです。その状態を放置したままでいると、ちょうど11月前後にその影響が身体にあらわれ、気温の変化と相まって冷えが生じるというわけです。

冷えの症状は、年齢と共に雪だるま式に増えていく

そもそも、冷えには大きく2つのタイプがあります。1つは、もともと冷えやすい体質のタイプで、そういった体質の持ち主は、胃腸が弱い傾向にあります。2つめは、最近増えている、ストレスや緊張によって、冷えてしまうというものです。
冷えは、実に様々な症状を引き起こします。しかも年を経るごとに、その症状がエスカレートしていくのです。例えば女性の場合、20~30歳代では、生理や肌のトラブル、むくみ、頭痛、めまいなどが生じ、加えて40歳代では、不眠やめまい、うつなどのきっかけにもなります。さらに50歳代では頻尿、尿モレなどの症状が出るほか、更年期のホットフラッシュとは別に、下半身は冷えているのに、上半身は”のぼせ”ているというような、いわゆる”冷えのぼせ”の症状を訴える方も少なくありません。
このように、冷え症状は年齢と共に雪だるま式に増えていきますが、対策は何歳になっても遅いということはありません。日々の生活の中で、身体を冷やさないよう心がけ、冷えと上手に付き合っていけば、多くの症状はかなり緩和されるといえるでしょう。

“朝冷え”を吹き飛ばし、身体にエンジンをかけましょう

冷えとうまく付き合うための一つの方法として、「体の中から冷やさない」ことを心がけましょう。そのためには、朝食がポイントとなります。朝は1日の中で最も体温が低く、身体が冷え切っている“朝冷え”の状態です。そのままでいると、もともと抱えていた冷えの症状もより重くなる可能性があります。まずは朝食で身体を中から温めることが大切です。そうすることで、“朝冷え”の緩和が期待できるだけでなく、眠っていた身体にエンジンがかかり、活動的に動けるようになります。ただし、胃腸が弱くて、なかなかいつも起きられず、朝から食欲がないという方は、無理してたくさんの朝食を摂る必要はありません。優先させたいのは、温かくて、サッと喉を通りやすく、消化の良い飲食物です。その意味で、温かいスープはおすすめといえます。より望ましいのは、色々な具材が入ったスープですが、食欲がない方の場合は、朝はお湯で溶いてサッと飲めるようなスープ1杯だけでも良いでしょう。特にコーンポタージュのようにとろみのあるスープは、炭水化物を含んでいるので、脳のエネルギー源であるブドウ糖も摂れます。同じ飲み物でも、コーヒーや緑茶は、逆に身体を冷やしますので、1日のウォーミングアップの役割は果たしにくいといえます。朝から温かいスープを飲んで、身体を温め、上手に身体にエンジンをかけてあげましょう。